不動産購入を検討するにあたって、HRC工法という言葉を耳にした方もいるでしょう。
HRC工法は物件の構造に関わるので、不動産を購入するのであれば理解しておきたいところです。
そこでこの記事では、HRC工法の概要とメリットについて解説します。
不動産購入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
不動産購入するなら知っておくべきHRC工法とは
HRC工法とは高強度コンクリートを用いた鉄筋コンクリート造を指します。
高強度コンクリートは、通常のコンクリートよりも水分含有量が少なく、硬度と粘度が高く、設計基準強度が高いコンクリートです。
また、鉄筋コンクリート造とは、鉄筋とコンクリートによって柱・小梁・大梁・スラブ・壁をつくり、すべての部分を一体化した構造で、引っ張る力や圧縮する力に強く安全性が高いとされています。
従来、高層ビルや超高層ビルは、自重の大きな鉄筋コンクリート造が向いておらず、鉄筋コンクリートに鉄骨を内蔵した鉄骨鉄筋コンクリート造での建築が一般的でした。
ところが、高強度コンクリートの技術が登場して以来、超高層ビルも鉄筋コンクリート造での建築が可能になり、現在ではさまざまな建築物にHRC工法が用いられています。
不動産購入するなら知っておくべきHRC工法のメリットとは
HRC工法のメリットとしては、まず鉄骨鉄筋コンクリート造と比較して空間自由度が増大する点が挙げられます。
鉄骨鉄筋コンクリート造よりも柱の寸法を小さくできるため、居住空間を広くとれるうえに、柱のスパンを広くとれて開放感があります。
居住者のニーズに合わせて、さまざまな住棟・住戸プランへの対応が可能です。
また、建物の耐久性が高いのもメリットです。
高強度コンクリートを使用し、さらに免震構造や制震構造を取り入れることで、地震時の揺れを抑えられます。
最近では、高強度コンクリートに繊維補強などを施し、火災や爆裂にも強い超高強度コンクリートも開発されており、さらなる耐久性の向上が期待できます。
そして、施工コストが削減できるのも、大きなメリットといえるでしょう。
柱と梁部材断面の低減や、部品材料の工場生産が可能なので、鉄骨鉄筋コンクリート造とくらべて躯体工事費を約15%コストダウンでき、全体工期も15%短縮できます。
HRC工法は、まさに経済性と高品質、工期短縮を実現させた構工法システムです。