木造戸建て住宅に欠かせない木材には、「無垢材」と「集成材」があることをご存じですか?
「無垢材」は1本の木から作られる木材ですが、「集成材」は文字通り成型された木材です。
ここでは多く使われている「集成材」について解説します。
木造戸建て住宅に欠かせない「集成材」とは?安定した品質を保つ理由と用途を解説
「集成材」とは、工場で乾燥させて成型することにより、強度や品質が安定した木材です。
製材された板や小角材をよく乾燥させ、大きな節や割れなどの欠点を取り除いたうえで、繊維方向を揃えて接着剤で集成します。
そのため、反りや割れなどが生じにくく強度も安定しており、自由な形状や長さに加工しやすいため、湾曲した木材も簡単につくれます。
また、用途に応じて一定基準以上の品質が保証され、集成材で使用される接着剤については「シックハウス症候群」の懸念がありますが、最近はホルムアルデヒドの発散量を最低限に抑えた製品が大半で、健康面にも配慮されています。
それに対して「無垢材」には集成材のような規格がなく、十分に乾燥させる工程がなくてもよいので木が伸び縮みする性質があります。
そのため使う場所によって、ゆがみが出ることもあり、フローリングに隙間ができたりテーブルの天板が反ったりするなどの可能性があります。
なおコスト面では、集成材より無垢材のほうが高くなる傾向があります。
集成材の種類
構造用集成材:住宅の柱や梁などの構造に使う
含水率15%以下に抑え、強度が高いため、住宅の柱や梁・桁、土台に使われます。
造作用集成材:住宅の内装や家具などに使う
美観に優れているため、テーブルやカウンター、階段、上り框(かまち)、和室の敷居、鴨居、長押などに使われます。
木造戸建て住宅に欠かせない「集成材」のメリットデメリットと注意点とは?
ここでは集成材のメリットデメリットをご紹介します。
メリット
●よく乾燥された部材なので、湿気に強く安定した品質が保てる
●接着して製造する工程上、厚みや長さ、幅などにおいて、幅広く対応した製品をつくることができる
●木目の美しい化粧薄板を貼り付けた集成材はデザイン性も高く、価格も手ごろ
デメリット
●比較的新しい技術なので木材そのものの耐久性が未知数
●接着剤の長期的な耐久性に不安がある
●接着剤に含まれる化学物質に懸念がある(2003年安全基準設置)