住宅性能評価書には「建築住宅性能評価書」と「設計住宅性能評価書」があります。
建築住宅性能評価書は、施工中に数回行う現場検査とその結果をまとめたもので、設計住宅性能評価書は、設計時の図面から評価結果をまとめたものです。
今回は、前者の建築住宅性能評価書について解説します。
マイホームの購入を検討しているのであれば、どのようなことを評価しているのかをチェックしておきましょう。
夢のマイホーム!建設住宅性能評価書の10項目について
住宅性能評価書は、住宅の性能を法律に基づいた基準で評価する制度です。
冒頭で説明したように住宅性能評価書には「建築」と「設計」の2つがあり、10分野32項目で住宅のさまざまな場所を評価されます。
以下が、住宅性能評価書における10項目の評価で、概要とともに解説しているのでチェックしてみましょう。
1.構造の安定:災害時の倒壊・損傷のしにくさ
2.火災時の安全:火の体制、火災報知器などの設置状況、避難のしやすさ
3.劣化の軽減:柱や土台の耐久性、傷まない対策
4.維持管理・更新への配慮:配管の点検、清掃、補修のしやすさ
5.温熱環境:省エネ性を含む冷暖房を効率的に行われているための配慮
6.空気環境:シックハウスの原因となる接着剤を使っていないか、適切な換気設備が整っているか
7.光・視環境:東西南北と上方の窓の大きさ
8.音環境:近隣住民への音の伝わりにくさ
9.高齢者等への配慮:高齢者や障害者が暮らしやすい配慮(バリアフリー)
10.防犯対策:窓やドアの防犯対策、侵入防止
これらは1~3点の評価をつけていき、その家の各評価を可視化していくため、どのような性能であるか誰にでもわかりやすいのです。
マイホームの購入!建設住宅性能評価書があるメリット
評価を数値化する以外にも、ほかにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
大切なマイホームを安心して購入できる
住宅性能評価書があれば、専門機関による評価が行われている証拠なので、購入後、「欠陥住宅や予想外の性能でがっかりした…」といったことが防げます。
自分たちがその家の性能を納得したうえで購入できるので、契約後のトラブルも少なくなるでしょう。
万が一、評価書と異なる・記載の性能を満たしていないケースがあれば、元の所有者に補修費用が請求できる点も大きなメリットです。
ローンや保険など金銭面で優遇されるケースがある
評価がわかるといったメリット以外にも、
●フラット35(住宅ローン)の優遇が受けられる
●地震保険料の割引が受けられる
といったメリットがあります。
地震保険料では、住宅の性能ごとに以下の割引が適用されます。
●耐震等級1級:10%割引
●耐震等級2級:30%割引
●耐震等級3級:50%割引
※上記は保険始期が2014年(平成26年)7月1日以降の地震保険です
値上がり傾向にある保険料の負担を少しでも軽減したいときは、住宅性能評価書のある家を選びましょう。