「プレカット」という建築用語をご存じですか?
プレカットとは、家づくりに使用する木材を現場に入る前に加工しておく工法のことをいいます。
「大工職人が現場で木材を加工しながら組み立てていく」という従来の方法と比べ、どんなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、プレカットの特徴とは何なのか、そしてメリット・デメリットはどんな点なのかについてご紹介していきます。
現代の家づくりには欠かせない!プレカットの特徴とは?
プレカットとは、その名の通り家づくりに使う木材を「事前に(プレ)裁断(カット)しておく」という意味です。
その部分以外のプレカットの特徴というと「加工に機械を使う」という点になるでしょう。
プレカットでは、従来であれば大工職人がおこなう木材の裁断や接合部分の加工を、工場で機械がおこないます。
機械技術の進歩やシステムの効率化、そして大工職人の数が減っていることなどを理由に、現在では全国的に普及しています。
家づくりを支えるプレカット工法!そのメリット&デメリットとは
木材加工を事前に工場で済ませるプレカットでは、現場での作業期間が大幅に短縮されます。
これは納期が早くなるだけでなく、大工職人の稼働時間も減らせるため、人件費のコスト削減というメリットもあります。
また、手作業の場合は大工職人の技術によって品質に差が出てしまうことがありますが、プレカットは加工作業をコンピューター制御された機械でおこなうため、技術にブレがありません。
無駄なく効率的に加工をおこなうので木材のロスも少なく、事前に作業するので現場で廃材が出ないこともメリットといえます。
では一方で、プレカット工法のデメリットとは何なのでしょうか。
やっぱり一番にいえるのは「熟練の大工職人には技術で敵わない」ということでしょう。
プレカットは、一定の品質のものを安定的に生産することができます。
しかし複雑な加工になると、まだ機械の技術では対応しきれていないのが現状です。
また、木材には種類や部位などによってさまざまな特徴や個性がありますが、それを判断して最適な加工を考える作業は人間にしかできません。
複雑な作業、そして臨機応変な対応という点では、まだまだ大工職人に軍配があがる部分も多いでしょう。
まとめ
プレカットは「納期の短縮」「コスト削減」「安定した技術」など、メリットが多い工法といえます。
一方で、長年積み上げられてきた大工職人の技術や経験にもやっぱり魅了されてしまうものがありますよね。
家づくりをするとき、あなたなら何を重視するのか、そして何をメリットとするのか、しっかり考えてみてくださいね。